本とハーブと日々のこと、あれこれ。

読書メモや本にまつわること、アロマやハーブに関すること、日々思うことなどを書いていこうと思っています。

読書メモ その8

ここ最近、読んだ本の中で面白かったなぁと思ったものあれこれ。

 

●『旅する胃袋』

篠藤ゆり 著

幻冬舎文庫

2012年文庫化

母の故郷である中国・漢口で食べたヨモギの根、チベット文化圏で食べ歩いたチベット風餃子・モモ、ビルマとタイの国境沿いにある村の家々で収穫祭のご馳走を食べ、香港では禁断の味覚に触れ、インド西部の砂漠で射るような陽射しの下ラクダの背にゆられ疲れきった身体に染み渡った熱くて甘いチャイに癒される。

食べ物の話はもちろん、それにたどり着くまでに見た光景や出会った人たちのこともしっかりと的確に書かれていて、読んでいるだけで面白いくらいその場所の情景や料理の姿や味まで浮かんできた。

この本に登場する旅先は著者が1979年から2000年までの間に訪れたもので、今ではもう同じルートで巡ることのできない場所もあると思われるし、時代の流れできっとずいぶん様変わりしている場所もあるだろう。

そして何より、頑丈で強靭とは程遠い身体と胃袋を持ち、食べることにさしてこだわりのない自分にとっては、決して直接触れることのない世界に浸ることができる、とにかく貴重で面白い一冊だった。